僕には、高2の初めから2年間教えてきた生徒さんがいます。
この生徒さんは、当時から東北医科薬科大学薬学部を第一志望としていました。
この大学は、一般入試なら、数学、英語、理科(化学か生物)の3科目という理系私大としてはオーソドックスなスタイルですが、公募推薦というものがあり、それならば、英語と化学と面接だけで入れます。
面接はちゃんと受け答えができれば問題ないので、実質2科目。
これで合格出来るようにと、家庭教師スタート当初から、化学と英語に特化して授業を行ってきました。
2年次は定期テストの対策をメインとして行い、3年次の7月ごろから、過去問も導入して本格的に対策を初めて行きました。
しかし、ここからが険しい道のりでした…
普段の家庭学習は、化学だと、過去問と、学校の問題集。
英語なら過去問と、学校でもらった単語帳とヴィンテージなどを使っていました。
保護者様も教育熱心な方なので、本人の勉強に一緒に付き合って、まさに二人三脚でやってきました。
ですが、11月に行われた公募推薦は、不合格でした…
この時、他校の併願可能な公募推薦を何校か受けていて、そこなら合格の内定をもらえましたが、やはり東北医科薬科大をあきらめ切れないとのことで、一般入試で受けることを決意しました。
そう、数学の対策もすることになりました。
しかし、これまで化学と英語に特化してきたので、これから数学の対策となると、かなりハードなものがあります。
とりあえず公式だけでも覚えて、基本的な問題だけは解けるようにと、「過去問は全部の問題は解けなくても良い」「チャート難易度2までで良い」と、かなり絞った対策をしました。
化学も一般入試ではハードになります。
公募推薦では有機化学の分野において高分子化合物は出題されません。芳香族までです。
しかし、一般入試となると高分子化合物も出題されます。新しく覚えることも増えますし、公募推薦ではあまり見られない硫酸銅五水和物の問題など、クセのある内容になります。
昔、同じく、東北医科薬科大の薬学部を目指した生徒さんがいました。公募推薦を受けましたが、不合格で、一般入試の前期日程も受けた不合格で、結局岩手医科大学の薬学部に落ち着きました。
単純な話、科目数が増え、難易度も上がるので、公募推薦で合格できなければ、一般入試で合格するのはかなり厳しいです。
それでも、とにかく粘り強く、
過去問を解く→解けなかったところを解説→そこから苦手分野を分析し、そこの単元を学校の問題集等で復習
この繰り返しを行ってきました。
そして迎えた1月の前期日程。
不合格でした。
でも、それでもまだ諦めきれず、2月の後期日程も、受けることになりました。
これと別に、前述でも触れた岩手医科大学薬学部の前期日程も受験しましたが、これも不合格。
ただ、この大学は、入試科目が化学と数学となっており、東北医科薬科の公募推薦終了までノータッチだった数学が含まれていたので、ある意味仕方なかったのかなと。
後は、東北医科薬科大学がマーク方式だったのに対し、普通の記述式だったので。
とは言え、前述の生徒さんでも岩手医科大は受かったのに、これはまずいと、僕も焦りました。
幸い、前述した他大学の公募推薦内定はあるので、浪人はないとしても、東北地方を出ることになるので、できれば、地元での大学に通わせてあげたいと、僕も悩みに悩みました。
どうすれば合格のレベルまで持っていけるのか…
東北医科薬科大の各問だけではなく、例えば東北学院大学の問題や、問題を精撰しながらですが、共通テスト対策用の問題集も併用して、とにかく過去問から学んだ事を使って、過去問ではない問題を解いて、さらに練習を積ませました。
厳しい勝負ではありますが、少しでも合格に近づけるように、最高の準備をしてあげることが、僕の仕事なのかなと思い、最大限の事はやりきると決めて、後期日程直前まで指導をしてきました。
そして、後期日程直前で、家庭教師の契約を一旦終了。
そして、合格発表は先月27日。
つまり一昨日でした。合格した場合だけ連絡をよこすように伝えました。不合格の場合、連絡をする側される側も辛いので。
そうしたら…なんと一昨日電話が来ました。
いや、まさか…?!
恐る恐る電話に出ました。
そしたら…
受かったとの事でした。
\(^o^)/
まさに奇跡が起きました。
僕もこれを聞いた時は驚いて心臓飛び出そうになりました。
公募推薦よりもずっと難しい条件で、合格はかなり厳しいだろうと思っていたので。
今年度の指導で1番のサプライズですね。
奇跡は起こせるものなのだと、改めて今回実感しました。
こういうのがあるから、家庭教師は辞められないですね!
でも、これからが本当の戦いですよ。薬剤師の夢に向けて、大学の勉強がんばってください。
東北医科薬科大学 薬学部 合格おめでとう!
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